老後はおひとりさまが1番幸せというデータがある?
なんと!子無しおひとりさまは満足度がもっとも高く、悩み度が低く、寂しさ率が低く、不安率も低い、という結果が出ました。
『在宅ひとり死のススメ』p32より引用
さて。
今日は、2021年に文春新書より刊行された
上野千鶴子氏の『在宅ひとり死のススメ』
を読んでみてのおはなしです。
上野千鶴子氏といえば、子なし未婚の「おひとりさま」代表。
ある意味、我々子なし主婦にとっても心強い方とも言えましょう。
タイトルから暗い気持ちになりそうで、嫌厭される方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、著者は明るくハツラツとした印象、さらに軽快な文章も手伝って、私などは読み終えた後にちょっとホッとしたような読後感を得ることができました。
・孤独死がこわい
・終活に興味がある
・夫に先立たれた後が不安な年下妻(私ですね)
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ちなみに、ふたり世帯の満足度は最下位だそう(笑)
しかも妻の一人負け♡
老後はおひとりさまが1番幸せ?
そういったデータがあるそうですが、これは中流家庭前提としているのではないか?など少々条件があり、また、幸福というものは主観的なため、生活満足度を比較に用いています。
その上で結局のところ、大雑把に言ってしまえば、「悩みやトラブルというものは人間関係に起因する」もので、一人でいれば悩みは起きない。
孤独については慣れるということのようです。
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それは…どうなんでしょう(笑)
実際に最初からひとりなら、慣れるので孤独は確かに感じにくいとは思いますが、ちょっとツッコミたくなりますね。
あと著者は当然、富裕層なわけなので、持つべきものは「カネ」ということでもあるのかしら。
細かな数字部分を含めて冒頭の引用に関しては興味があれば、手にとって読んでみてください。
孤独死は怖くない?
書籍での取扱いデータは2016~2018年と少々古かったので、最新のものを引っ張ってきました。
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悪性新生物とは、「がん」
その他・37.5%の内訳には誤嚥性肺炎・不慮の事故・新型コロナウイルス等が続きます。
死因の大半は「予期できる・緩慢な死」であって、ピンピンコロリ(突然死)とはいかない。
あらら…良いやら、悪いやら…。
裏を返せば、頭がシャキッとしていればモラトリアムがあるということですね。
ヨタへロ期もとい、フレイル期(虚弱期)に社会的信用のできる団体に話を通しておくなど、事前準備をしておけば、数カ月後に発見なんてことは避けられそうです。
では、死亡場所の割合は?
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書籍内では2016年のデータが使用されていたので、それを比較に。
著者が言うように、年々、「自宅死の割合が増加している」ことは最新データとの比較からも窺えます。
著者は「自宅で死にたい」という主張なので、そちらに寄せた内容であることは当然なのですが、私は正直なところ、死に場所に興味はありません。
強いて言うなら、人様に迷惑をかけずに静かに逝きたいと思っているので、自宅死で発見が遅れる可能性あることからも「病院内孤独死」上等です。むしろ有難いくらい。
そのため、調査結果の自宅死割合を見て、こんなものかと少しホッとしました。
その中には著者のように、「最期は自宅で」と望んだ方もいる数字でしょうから。
孤独死の定義
ところで、孤独死の定義は自治体によって様々です。
孤立死とも呼ばれている場合もありますね。
それを踏まえて、著者は「以下の4条件を満たしたもの」と述べていました。
①単身者が自宅で死んで、
『在宅ひとり死のススメ』p84より引用
②立ち会い人がおらず、
③事件性がなく、
④死後一定時間以上経過して発見されたもの
これに対して順に私見を。
①単身者が自宅で〜
→そもそも、自宅死の割合は少ない。
②立ち会い人がおらず〜
→私は静かに逝きたいので、著者に賛同です。
夫ならともかく、滅多に会わない親戚に囲まれてもなぁ…と思います。そもそも意識あるのかしら。
③事件性がなく
→自宅にいる死にかけの年寄(※書籍内の言葉を使用しています、あしからず)は119せず、訪問介護ステーションに連絡するべしとのこと。
ワンタッチダイヤルにいれておくなどの対策は各々がしておけばよい。
自治体によっては、(まだ課題がある面もあるが)緊急コールボタンを配布しており対策可能。
このとおり、ピンピンコロリ(突然死)とはいかない死因割合の事実を鑑みれば、
おそらく、④の一定以上〜以外は避けられる可能性が高いと私も思いました。
④死後一定時間以上経過して発見されたもの
→問題はここですね。これへの対処法は、誰しもが想像に容易く、
生きている内から孤立した生を送らないこと。
むしろ、独居ではない場合でも孤立死は起きているのが現実であり、家庭内孤立も恐ろしい…。
これは、子ありの方にも訪れる問題と言えましょう。
結局いずれにせよ、カネ持ちならぬ、ヒト持ちがポイントとなりそうです。
そういった社会資本の有用性に関してはこちらで触れたので今回は割愛。
認知症は5人にひとりがなる時代
もっと多いと思っていました。
とはいえ、認知症に対しては「誰しもがなる可能性があるもの」という事実を受け止め、対応を考えておくことが大切だという著者の意見に賛成です。
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私が老後で一番恐れているのは、夫の死後に自分が認知症高齢者となり、
一切の意思決定能力を欠いてしまうこと。
もし子どもがいれば、そうした不安は少しは軽減されるのかもしれません。
しかし、現実には「子どもの保育園は慎重に選ぶのに、親の施設は空きができ次第すぐに…」なんてことも。それはそれでトラブルの種になることもあるそう。
訪問介護という選択肢もありますが…何事も一長一短ですね。
その一方で、私は施設に対しては悪いイメージを持っていません。
祖父母たちが施設でお世話になっている姿を見ると、確かに自由は制限されるものの、職員さんたちがとてもよく尽くしてくださっていると感服しています。
何にせよ、「その時考えれば良い」と、問題を後回しにしても良いことはなさそうですね。
頭がシャキッとしているうちから、常にアンテナを張っておくことは心がけたいものです。
成年後見制度
そこで、今私が興味を持っているのは「成年後見制度」です。
高齢化社会である日本でのニーズの増大はいうまでもないでしょう。
市報で「市民後見人」養成講座を募集していたのを、私も目にしたことがあります。
問題は、それを誰に任せるか。
制度自体も、やはりまだまだ課題が多いようです。
私は漠然と、いつか士業に…と思っていたのですが、士業では身上監護までは難しいと。
そこで、最近は身上監護だけでなく、死後事務委任まで含めた「3点セット」を引き受けてくれる事業者も登場していると紹介されていました。
このように私も、まだまだ勉強不足です。
でも、成年後見制度や、社会的に信用のおける団体(社協・福祉協社・福祉生協・NPO)にたくす。
こういった選択肢がどんどん増えていくというのは、非常に心強いものですよね。
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あとは来るその時に、必要なお金を気持ちよく出せる、そんなおばあさんでありたい。
そして、そのときにはプロの方々に適切に・良いようにしていただけたなら、こんなに有難いことはない…。今はそう思っています。
また、ACP(人生会議)については主張があるため、
エンディングノートや遺言を利用して自分の意志は毎年末に更新していくつもりです。
まとめ・今後の課題
狷介孤高とまではいいませんが、私は静かにひとりで逝きたいし、お葬式もいらないと思っています。
その理由は、友人らには死に顔ではなく、元気な時の姿を覚えていてほしいから。
それは老後に関わらず、今現在だとしてもです。
子なしは人間関係がクローズドになりがちだったり、私に至ってはそこそこ断捨離もしてきているので(価値観・モラルの合わないひととは、どのみち信頼関係が成立しないので後悔はないが)、
そこそこの「カネ持ち」「ヒト持ち」になることが人生における課題だと再認識しました。
祖父が亡くなったときのことです。
電車で少しのところに住んでいる孫たちが集まって涙して、また会いたいねと口々にいってましたが、「だったら正月以外も顔を見せに来たら良いのに。死んでから泣かれても本人は嬉しいのかしら…」なんて思ったものです。
そんな私なので、老後…というよりは死期については、子なしだからといって、そこまで悲観すべきものでもないのかなと考えています。
そもそも先に親世代の介護問題と向き合わないといけないので、自分事に置き換えて学ぶ気持ちでいたいですね。そんな気持ちの余裕があるのか、は置いといて…。
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年末年始などの節目には、老後や相続について夫婦で話し合うのも良いのかもしれません。
そもそもこういった死生観も流動的なもの。
著者も言ってましたが、「最期まで迷いぬけばよい」(p160より引用)
私もそう思っています。
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